猫のあくび

観てきました。これが初めての帝劇でした。もう色々すごかったです。

私が観てきた回のキャストはこちら

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ずっと加藤和樹さんと神田沙也加が出てる帝劇の舞台が見たい！と思ってたので、2人揃うこの舞台はまさにうってつけでした。
2.5次元を観劇する者として加藤和樹さんは2.5次元出身俳優としてよく耳にしてましたし、実は私、初めて観た舞台そして2.5次元が神田沙也加が出ていたダンガンロンパ the stage初演だったんです。
初演の感想はまた別のところで語るとして、神田沙也加がきっかけでそこから舞台を見るようになりました。
そんな2人が共演する舞台、チケット取れて本当によかったです。すごく楽しみでした。

舞台を見る前にですがロビーにグッズ販売のほかに飲み物やお酒や食べ物、さらにハーゲンダッツまで売っていたのには驚きでした…まるで映画館のようですよね。長い歴史がありミュージカルの聖地とも言われているのに大衆的な部分もあるんだなと少し帝国劇場が身近に、親近感を感じました。

閑話休題

さて、観てきた感想はすごい！これが帝国劇場のミュージカル…！とすごく感動しました。
主演の2人はもちろんですが、脇役やアンサンブルもすごくレベルが高いし衣装や舞台セットがすごく大掛かりでびっくりしました。
ではいくつかまとめていきたいと思います。

・帝国劇場のホール・舞台セット・演出に関して
舞台セット！すごく驚きました。建物のセットがワイヤーにどんどん支えられてどんどん傾いていき、裏から役者さんが出てくる！大きく傾いた板の上で激しく動き演技している！
役者さんの力量もですが、こんな大掛かりなセットを組みこんな演出ができるの、初めて見ました。何というか良い劇場だと色んな仕掛けがありそれにより見せ方も大きく変わってくるんですね。
個人的にマリー・アントワネットの後ろに大きな鏡があり、彼女の後ろ姿、そして舞台に立つ彼女の見ているものが鏡を通して私たちにも見えるのがすごく好きです。彼女が歌っているのに鏡の方を見ていることもありました。

そして何より感動したのが良いホールだけあって音響が良い…！これに尽きます。最高！！！
私、最近まで地方に住んでいたんですね。で2.5次元の観たい舞台が地方公演もある場合はそっちを観に行っていたのです。
地方公演の会場ってクラシックコンサートなどが開かれたりするから音響もいいし座席もそれなりに座り心地がいいんですよね。そんなホールが当たり前だと思っていたのでTOKYO DOME CITY HALLに行った時の驚きといったら！！！
私が観たい2.5次元舞台、よくTDCであるので通ってたらもう慣れましたが笑
でも久々にこんな音響が良く座り心地の良いホールでミュージカルが見れたので感激しました。東京でこんな良いホールで劇が見れるなんて感激だな…

・ストーリーに関して
1789、ずっとシリアスなシーンなのかなと思ったらちゃんとギャグシーンもあってよかったです。笑えるシーンがあるとほっとします。

観る舞台が偏ってるものだから、男女が同じ舞台に立ってラブストーリーを演じてるのを観るのが多分初めて？ですっごく新鮮だったしすっごく良かったです。役者さん自身もキャラも老若男女いるとすごくバラエティ豊かでとても見応えがありました。

ラストはロナンとオランプがようやく結ばれてバスティーユの門が開かれる最高に盛り上がってるときにロナンが銃に撃たれてしまいめっちゃ「⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」って驚きました。え、これからでしょ！ってときに唐突に突然死んでしまった…ロナン…そして物語は唐突に幕を下ろします。
一緒に行った友達がまあ革命ものはすぐ死ぬから、と言っていたんですがそんなものなんでしょうか…わからない…

今回マリーアントワネットが出てましたが、あんなに贅を尽くして遊んでたのに息子ルイジョゼフの死をこれは私の天罰よ！ってすごく嘆き悲しんでその後の身の振り方というか振る舞いがガラッと変わってとても驚きました。
あんなに遊んでたのに息子の死をきっかけに恋仲だったフェルゼンとも縁を切るし民衆の暴動が起きて亡命を促されても私はフランス王妃です！務めを果たし陛下とともにっていう変わり身で息子の死を天罰だと感じて自分の役目を全うしようとああなったんだなってのが伝わってきてよかったです。
マリーアントワネットはよくある贅を尽くして「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」っていう側面と、最後までフランスを愛した王妃って側面が結びつかない、両立しなくてモヤモヤしてましたが、1789のマリーアントワネットの解釈がとてもしっくりきたからよかったです。

関係ない話ですが私FGOというゲームをやっているんですね。そこにマリーアントワネットが出てきておりまして。ゲームでは生前の彼女への言及もあり結構タイムリーな話題だったので観れて良かったです。

ルイ16世がマリーアントワネットに、これで人に死の苦しみを味わわせず人道的に処刑できる！って嬉しそうにギロチンを紹介してたシーンがありました。それを見てフランス革命から恐怖政治の時代にギロチンで処刑された人たちは自分は惨たらしくではなく人道的な方法で処刑されると思ってたのかなって少し考えてしまいました。実際のところどうだったんでしょう。
今の私たちには残酷な処刑器具ですが当時の人達にとっては違ったのかもしれませんね。

こういった歴史ものだと当時の価値観などに触れられるので色々考えを巡らせるのが楽しいですね。

・キャストさんに関して
まずアンサンブルの皆さんがすごすぎました。あんなに歌もダンスもできる、特にダンスは激しくあんなに躍動感がある舞台は初めて観ました。
男女が同じ舞台で同じダンス同じ歌を歌うとwe are the worldじゃないですけどガガのborn this wayのような、男にしかない、女にしかないではなく人間が持つエネルギー、躍動感を感じられました。

・神田沙也加ですがとても可愛らしいオランプでした。(最初に見たのが江ノ島盾子だったので余計に)
神田沙也加の声ってすごく透明感があって好きなんですよね。とても健気なオランプがとても素敵でした。

・凰稀かなめさんのマリーアントワネット、すごかったです。最初の「全てを賭けて」のソロが舞台の演出も歌もすごすぎて…かなめさんの歌声を聴いた時、初めて見た宝塚「ポーの一族」娘役さんと似てる、と感じたんですが宝塚って独特の歌唱法があるんでしょうか？
演出のとこでも書きましたがマリーアントワネットの後ろ姿がとても印象的でした。背中は語るんですね…

・ロベスピエール役の三浦涼介さん、舞台グランギニョルで演技を見てそちらももちろん素晴らしかったんですが、まさかこんなに歌やダンスがすごいとは思いませんでした…すごい…
「誰の為に踊らされてるのか？」で出だしの音が高くてそこだけ掠れた裏声になるの、とてもセクシーで好きです。早く音源が聴きたい。

・ソレーユ役のソニンさん。素晴らしかったです。歌やダンスもですが何より声量がすごすぎました。
個人的にあれだけ力量があるのになんで主役やヒロインをやらないのか不思議です。本人の持つ個性と役柄でしょうか。

・加藤和樹さんのロナン…というか加藤和樹さん自身の凄さを本当に感じる舞台でした。
歌もダンスも演技も、主役のオーラがすごかったです。それに尽きます。

ここからは2.5次元に関する話となります。

今回の舞台は2.5次元と普通？(帝劇しか見てないので何ともいえないんですが)の演劇の違いをすごく見つけられた舞台でした。

本当に申し訳ないんですが2.5次元出身というのを枕詞のようによく聞くので、観る中で加藤さんと私の知る2.5次元俳優との共通点はあるのか探しながら見てたんですけど特に見つかりませんでした。
むしろ加藤さんも今の2.5次元俳優の彼らのような時代があったんだろうか？と不思議に思うほどでした。
加藤さんは技術や表現力も今は備わっている完成された役者さん。そして2.5次元俳優たちはその多くがこれでお芝居や舞台をデビューし、2.5次元でそのキャリアを積んでいきます。踏んできた場数や経験してきた舞台が全然違いますよね。
ですが、もし加藤さんにも彼らのような時代があったのなら推してる2.5次元俳優があそこまで化けて帝劇の主役になれたのなら応援しててこれほど嬉しいことはないのだろうなと思います。
2.5次元若手俳優は多くがこれが初期の舞台キャリアになるでしょう。その頃に出会えてどんどん成長して化けていく彼らを観ると人間の秘める可能性に気付かされるしエネルギーももらえると思います。もちろん2.5次元で実績を重ねて完成されている2.5次元俳優もいると思いますが。
しかし、帝劇は舞台自体を踏むのが、人前に出るのが初めての人は子役以外にはいないと思います。
完成された役者さんしか出ない帝劇とベテランから舞台が初めての役者さんまで出る2.5次元だと面白さのベクトルの違いを今回の舞台ですごく感じました。

もっと2.5次元とかに関しては色々語りたいことがあるんですがそれはまた別のところで語りたいと思います。

とても印象的だったのはカーテンコールの最後に舞台上で深々とお辞儀をする加藤さん。
2.5次元俳優のインタビューで帝劇の舞台に立つことを目標に上げる方はいらっしゃいますが、そんな彼らが加藤さんのようになれたら素敵だと思います。そして応援しているファンも初期のキャリアから帝劇の舞台に立つその成長をリアルタイムで追いかけられたらファン冥利に尽きるだろうなと感じました。

ではこれはここまで。何かしら間違えてる部分があればこっそり教えてください。

猫のあくび

色んな感想を綴ります。

初めての帝劇〜1789 -バスティーユの恋人たち−

はじめに